白髪隠しの良い方法・悪い方法

白髪隠しをしたいと思っている方は少なくないと思います。髪の色というものは、その人のパッと見た時の印象を変えるものですし、いつまでも黒髪のままでいたいと思う方もおられるでしょう。

どうしても黒い髪の色にこだわるということであれば、白髪染め・ヘアカラー・ヘアマニキュアなどを使って「髪を染める」ことが、最も現実的で悪くない方法です。時間がかかる場合が多いのですが、髪を染める行為自体は、そう難しい方法ではありません。

その一方、白髪を目立たせなくしたいけども、かといって、白髪染めを使うほどでも無いという方は、ひとまずはその髪を切っておくという方法で良いと思います。白髪染めを使うのは、白髪になった部分が増えてから考えれば良いと思います。

白髪になった方のなかには、黒髪よりも色素がない分だけ軽やかさを強調することができますし、白髪でも有益な整髪料が豊富に出ていることもあり、白髪そのものを活かしている方も少なくありません。これも一つの方法として良い考え方だといえます。

こうした良い方法が挙げられる一方で、毛髪環境に最も悪い方法としては、「白髪を抜く」行為です。毛を抜くことは、毛根を傷つけることにつながります。また、白髪を抜いても、そこから生えるのは黒髪では無く、やはり白髪です。

ここからは、こうした白髪隠しに関するさまざまな方法を詳しく取り上げ、何が良い方法なのか、なにが悪い方法なのかについて説明します。

白髪染めと白髪が生じるメカニズム

まず、白髪染めを使うことは、白髪を隠したいし、どうしても黒髪のままでいたいと思う方にとって、最も現実的ですし、これしか無いといえる方法です。これには、どうして白髪が発生するのかというメカニズムが、おおいに関係しています。

そもそも髪の色は、黒褐色のユウメラニン(ユーメラニン、真性メラニンともいいます)や橙赤色のフェオメラニン(亜メラニンともいいます)というメラニン(メラニン色素)によって決まります。

このユウメラニンとフェオメラニンの割合によって、金髪、赤毛、栗毛など、さまざまな色をした髪が生まれます。特に日本人に黒髪が多いのは、ユウメラニンを大量に含んでいるためです。

なお、メラニンとは単なる色素というだけでなく、毛や皮膚に存在するものは、細胞核のDNAを破壊から守るため、太陽からの紫外線を吸収する役割があります。

さて、髪の色を決めるメラニンは、メラノサイト(メラニン細胞)で作られます。メラノサイトはメラニンを作る色素細胞ですが、メラニンを貯蔵する機能はありません。日本人の場合、メラニンの中でも特にユウメラニンが大量に生成されるため、黒い髪が多くなります。

メラノサイトは、毛髪の毛母細胞にたくさん存在する色素細胞です。毛母にいるメラノサイトを、他の場所(皮膚の表皮最下層の基底層など)に存在するものと区別するため、特に「毛母メラノサイト」という場合もあります。

メラノサイトは、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)からの働きかけをうけ、メラニンの生成を促進します。特に日本人はユウメラニンが作られますから、髪の毛は黒い髪の毛になっていきます。

ところが、加齢によってメラノサイトの機能が低下したり、更年期によってホルモンバランスに乱れが生じると、メラニンの生成が促進されなくなります。やがて、ホルモンの分泌量やメラノサイト自体が減少することで、髪の毛に色素が加わらなくなり、白髪が出来るようになります。

この変化は、非常に個人差があります。更年期を迎えるよりもずっと若い世代の方でも白髪がかなり目立つという方もおられますし、50代でも黒い髪のままだという方もいます。白髪になる進行度についても、個々のケースによって大きく異なります。

どの場合にしても、色素細胞であるメラノサイトの機能の低下や、メラノサイト自体の減少が原因である以上、黒い髪から白髪に変わっていくことは避けられない現象だといえます。

このため、白髪を隠したいが黒い髪の色にこだわるということであれば、白髪を染めるという選択肢が、現状では最も現実的で唯一の解決策といえます。

もちろん、ひとくちに白髪染めと言っても、整髪料にはさまざまな種類があります。当サイトでも、こうした白髪染めの選び方や使い方に関する記事で詳しく取り上げています。

白髪を切る・白髪を活かす

現在の医学では科学的に白髪を黒髪に戻すという方法が発明・発見されておらず、ここまで説明した通り、白髪になる事自体は誰にでも起こりうる避けられない現象です。そこでどうしても黒髪にこだわるなら、白髪染めという選択肢が挙げられます。

その一方、白髪になった方のなかには、いまある毛髪の状態を積極的に活かして、さまざまな工夫を行う方も少なくありません。白髪の状態が髪を染めるほどでは無いという方や、特にショートカットが嫌いというほどでも無い方には、白髪の部分を切るという方法もあります。

白髪も薄毛・脱毛も、ともに血行不良やホルモンバランスの乱れが関わるものの、それぞれのメカニズムは別物です。このため、白髪を切ったからといって、薄毛や脱毛が促進されるとかいうことはありません。

その一方、白髪は髪を黒い色にする色素が無い分だけ、軽やかさを出すことができます。また、白髪を染める目的に限らず、非常にさまざまな目的や用途に応じた整髪料が出ています。こうした点から白髪を前向きに捉え、白髪という自然現象を活かしたヘアアレンジを楽しむことも、非常に有益な選択肢として考えられるといえます。

白髪を抜くのは最悪

白髪への対処として、毛を抜くことは最悪の方法です。まず、白髪になった毛髪の毛根部分では、黒い色のもととなるメラニン色素が作られなくなっているわけですから、いくら白髪を抜いても、その後に生えてくるのも白髪のままです。

これとは逆に、「白髪を抜いたら白髪が増えるのではないか?」と思っている方もおられますが、これも間違いです。ここまで見てきた通り、毛髪の成長サイクルと白髪になる仕組みは別物ですから、白髪の抜毛で白髪が増えるということはありません。

毛髪の成長サイクルが正常に働いている方は、白髪を抜いた部分は、何度抜いても次に生えてくるのも白髪です。これは抜いた白髪のぶんだけ新たな白髪が生えるプロセスであって、なにも白髪の総本数が増えるということではありません。

それよりももっと深刻なのは、白髪を抜くことは、毛根がダメージを受ける可能性があるということです。

そもそも毛根は、毛髪の生成に必要な栄養分や酸素を運搬する毛細血管とつながっています。この栄養分を受け取って毛髪の生成を促す毛乳頭や、毛乳頭から受け取った栄養分を使って髪の毛を生成する毛母細胞などで形成された重要な部分です。

白髪を抜くことは、こうした毛母細胞をはじめとする毛根部分をひどく傷つけることにつながります。毛根部分は髪の毛を作る工場のような部分であり、ここがダメージを受けることで、その毛穴からは毛が作られなくなる(生えなくなる)可能性があります。

白髪を抜くことは、毛根を傷めることです。毛乳頭は毛髪環境に網の目のように張り巡らされた毛細血管とつながっており、毛根を傷めることは血流にも悪影響を及ぼす可能性があります。

こうしたことから、白髪を抜くことは、白髪自体よりも、もっと重大な薄毛や脱毛症を招くおそれがあります。白髪隠しのために白髪を抜く方法は、絶対に避けるべき最悪の方法だといえます。