シリコンとノンシリコン、シャンプーはどちらが良いのか?

今回は、シリコン入りのシャンプーとノンシリコンシャンプーのどちらが良いのかについて、それぞれのメリット・デメリットを列挙した上で、賢い使い方を考えていきます。

シリコン・ノンシリコン、どちらのシャンプーの場合も、良いと言う方もいれば悪いという方もおられます。ここは非常に賛否が分かれる点ですが、どの論者の方も、それぞれの長所・短所をよく理解された上で、どの点を重視するかによって違いが出ていると思います。

ここでは、そうした両方のシャンプーの良い点・悪い点をひとつひとつ説明し、使用する方それぞれの必要性に沿った賢い選び方を取り上げていきます。その前に、まずはそもそも「シリコンとは何か」について説明します。

シリコンとは?

シリコン(silicon)とは、ケイ素(元素記号:Si)の英語名です。ケイ素は原子番号14の元素であり、地球を構成する主要な元素のひとつです。地球に存在するさまざまな鉱物を構成する元素として知られています。

ただしケイ素は、栄養素としての必要性や、人間を含む生物への関与は、ほとんど確認されていない元素です。二酸化ケイ素という形で、シダ植物やイネ科植物などの骨格を構成している例がある程度です。

その一方、「シロキサン結合」と呼ばれる、ケイ素と酸素を骨格とする化学結合があります。この化合物のことをシロキサンといい、シロキサン結合を主骨格としている合成高分子化合物のことをまとめて、「シリコーン」(silicone)と呼びます。

これとは別に、低分子のシラン(水素化ケイ素)類を含む有機ケイ素化合物(炭素-ケイ素結合を持つ有機化合物)のことをまとめて、「シリコーン」と呼ぶこともあります。

一般的なシリコンシャンプーに含まれる成分としての「シリコン」とは、こうしたシリコーンのことを意味しています。

シリコーンのうち、環状シロキサンはシャンプーや化粧品などで「シクロペンタシロキサン」と表記され、シリコンシャンプーの代表的なシリコン成分です。

また、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)もシリコーンの一種ですが、こちらも毛髪をコーティングするシリコンシャンプーの成分としてよく使われています。

いわゆるシリコン成分として使われるシリコーンには、環状シロキサンやジメチルポリシロキサンのほか、ジメチコノール、フェニルトリメチコン、アモジメチコン、シクロメチコン、PEG-modifiedジメチコン、ジメチコンコポリオールなど、たくさんの物質が挙げられます。

シリコンシャンプーとは

シリコンシャンプーとは、ここまで説明してきたシリコン成分が配合され、髪の毛に作用するシャンプーのことです。これには、メリット・デメリットがあります。

シリコンシャンプーの最大のメリットは、毛髪表面のコーティング機能に優れていることです。キューティクル部分に付着することで、髪の毛の表面をダメージから守り、補修してくれる作用があります。

シリコンシャンプーの多くは、ヘアアイロンやヘアドライヤーのような熱ダメージから毛髪を守ってくれる作用があります。また、髪の毛の表面に付着することで、指通りが良くなり、ツヤのある髪の毛にしてくれます。

その一方、シリコンシャンプーにはデメリットもあります。髪の表面をシリコン成分がコーティングするということは、トリートメントや育毛剤の成分が髪の奥まで浸透することを妨げることにもなります。

また、シリコンはあくまでも髪の表面に付着する成分であって、シリコン自体に毛髪の補修やケアをする作用はありません。シリコンは人工的に作られた物質ですし、十分に洗い落とさず頭皮にシリコンが残っていると、かえってフケや炎症を招く原因になることがあります。

シリコンは人工物であり、ノンシリコンに比べて髪には重みを感じる負担となります。シリコンシャンプーは、軽やかなヘアスタイル、カラーリング、パーマなどを少しでも長く持たせたいという場合には不向きです。

ノンシリコンシャンプーとは

ノンシリコンシャンプーはシリコン成分を含まないシャンプーです。

ノンシリコンシャンプーは、アミノ酸系の洗浄成分を配合したものや、自然からの天然由来成分(植物や天然油など)を保湿成分として配合したものがあり、毛髪の清潔さを保ち、潤いのある髪の毛をサポートする機能に優れているといえます。

ノンシリコンシャンプーは、シリコンのような毛髪のコーティング機能が無いぶん、トリートメントや育毛剤の成分が、髪の毛の内部まで浸透しやすいというメリットが挙げられます。

また、シリコンのように頭皮への負担が無く、洗い残しによるフケや皮膚炎の可能性も比較的少ないといえます。カラーリングやパーマの効果も毛髪に浸透しやすく、髪の毛の軽やかさを出しやすいのも、ノンシリコンシャンプーのメリットです。

もちろん、ノンシリコンシャンプーにもデメリットがあります。シリコンのように髪の毛をコーティングするわけではないので、熱ダメージから毛髪を守るという効果はありません。

シリコンシャンプーと違って髪の毛にツヤが出たり、指通りが滑らかになるということは無く、ノンシリコンシャンプーを使うと髪の毛のゴワつきやきしみを感じるひとも少なくありません。

ノンシリコンを選ぶならトリートメントと併用を

シリコン自体はよほど過剰に使うとか、誤って少なからぬ量を経口服用でもしない限り、通常の頭皮ケアの範囲なら、特に人体に悪い物質ではありません。あとは、シリコンシャンプーとノンシリコンシャンプーそれぞれの特徴を見分けることが重要だといえます。

シリコンシャンプーは、髪の表面をコーティングすることで熱ダメージから守ってくれたり、髪の毛にツヤを出し、指通りを良くしてくれる効果があります。ただし、他のトリートメントや育毛剤の成分が浸透しにくいデメリットがあります。

その一方、他の育毛剤やトリートメントなどの成分を浸透させたい方や、軽やかな髪型・カラーリング・パーマといったさまざまなヘアアレンジを楽しみたい方には、ノンシリコンシャンプーのほうが向いています。

ノンシリコンシャンプーにシリコンシャンプーのような髪の補修作用が無いのなら、補修効果があるトリートメントを併用することで、シリコンに頼らずに髪の毛の内部まで浸透する頭髪ケアを行うことができます。

ちなみに、リンスといえば毛髪の表面に吸着して補修し、トリートメントといえば毛の内部まで浸透して修復する作用を持つものを指すことが一般的です。髪の毛の補修作用に関しては、髪の表面だけでなく中まで浸透するトリートメントのほうが効果が高いといえます。

また、コンディショナーはリンスと同じ意味で使われることが多い言葉ですが、なかにはトリートメントのように、髪の内部まで補修効果の作用があるコンディショナーもあります。

リンス・トリートメント・コンディショナーの区別については、メーカーによって異なる場合もあるため、やはりひとつひとつの製品に関する説明をよく見て、髪の表面だけでなく、毛髪内部への浸透効果があるものを選びたいものです。