頭皮に応じたシャンプーの選び方

今回は、頭皮に応じたシャンプーの選び方を取り上げます。お肌がカサカサと乾燥しやすい方は、しっとりと洗浄力が強すぎず、低刺激で頭皮に優しいシャンプーを選びます。こうした方は、頭皮の老廃物・フケを気にしすぎてゴシゴシと洗いすぎないようにします。

その一方、じっとしていても汗が出やすかったり、いつも頭皮がベタベタする方は、さっぱりと洗浄力が強く、しっかりと洗い流すシャンプーを選びます。ただし、こうした場合は、リンスで中和することで、髪へのダメージを抑えるようにしましょう。

今回は、このような頭皮の性質に見合ったシャンプーの選び方を取り上げます。

カサカサ肌にはアミノ酸系のシャンプー

まず、いつもお肌がカサカサしていたり、皮膚が外部からの刺激に弱いと感じている方には、アミノ酸系のシャンプーをおすすめします。いわゆる敏感肌の方には、しっとりとマイルドなタイプのシャンプーがおすすめです。

学問的にアミノ酸とは、「アミノ酸」という物質があるのではなく、アミノ基とカルボキシル基という2つの構造を合わせ持った有機化合物の総称です。

ちなみに「タンパク質」とは、アミノ酸で構成された物質の総称です。髪の毛も、ケラチンというタンパク質が主成分です。人間には、体内で合成することができないため、食品という形で摂取する必要があるアミノ酸があります(これを「必須アミノ酸」といいます)。

実際のアミノ酸は非常にさまざまな種類の物質があり、アルカリ性のものもあれば、酸性を示すものもあります。ただ、一般に「アミノ酸系シャンプー」という場合、肌に優しい弱酸性のアミノ酸を含んだシャンプーを意味することが多く見られます。

アミノ酸系のシャンプーは、弱酸性ということで非常に肌に優しく、低刺激であるというメリットがあります。頭皮にダメージを与えることが少なく、皮膚が敏感で乾燥肌という方も、安心して使えるものが多いといえます。

ただし、アミノ酸系のシャンプーは、肌に優しく低刺激という反面、強い洗浄成分も含まれません。洗い流す力はマイルドなものが主流で、泡立ちも抑えめです。

このため、アミノ酸系のシャンプーを使う方は、あまり泡立たないことを気にしたり、物足りなさを感じて、過剰に力を入れてゴシゴシと洗いすぎないようにしましょう。こうしたことは、かえって頭皮を傷つけ、頭皮環境の悪化につながる可能性があります。

ベタベタ肌には石鹸シャンプー

頭皮がいつもベタベタする、じっとしていても汗が出やすい体質という方には、添加物が少ない石鹸シャンプーをおすすめします。皮脂が過剰に分泌しやすい方は、常在菌が繁殖しやすいため、洗浄力の強い石鹸シャンプーが良いでしょう。

石鹸は、一般的な固形・粉の固形石鹸と、石鹸シャンプーなどの液体石鹸があります。化学的にいえば「石鹸」とは、「高級脂肪酸のアルカリ塩(えん)」の総称です。具体的には、脂肪酸という弱い酸と、強アルカリを化学的に反応させたものです。

つまり、「脂肪酸+アルカリ塩=石けん」というわけです。脂肪酸にもさまざまな物質があるのですが、石鹸を作る場合は、弱酸の脂肪酸を用います。

わかりやすく実際の物質で説明すると、脂肪酸(弱酸)と水酸化ナトリウム(強アルカリ)を反応させると、脂肪酸ナトリウムという弱アルカリ性の物質ができます。これは、固形石鹸を作る場合に用いられます。

その一方、石鹸シャンプーを作る場合は、脂肪酸(弱酸)と水酸化カリウム(強アルカリ)を反応させます。これで出来る脂肪酸カリウムという物質も、弱アルカリ性を示します。

石鹸は、界面活性剤の一種です。界面活性剤とは、水になじみやすい部分と、油になじみやすい部分を持つ物質の総称です。界面活性剤は、油や油を含む汚れを水に分散させる作用を持つため、洗浄作用が高い物質です。

特に石鹸は、油脂を洗い出す洗浄能力に優れ、細菌の細胞膜やウイルスのエンベロープを破壊する作用があるため、一部の病原体に対しても消毒効果があります。

石鹸シャンプーは、非常に洗浄力が高く、皮脂を落とす能力を強く持っています。こうしたことから、頭皮のアブラが多いというギトギト・ベタベタな頭皮の方には特におすすめできます。

ただし、石鹸シャンプーはアルカリ性であるがゆえにデメリットもあります。髪の毛にダメージを与えやすいという難点があるため、石鹸シャンプーを使う場合は、以下に取り上げる対処法を参考にしてください。

石鹸シャンプーのデメリットと対処法

石鹸シャンプーのデメリットとしては、アルカリ性であるゆえに、キューティクルを開けてしまう点が挙げられます。髪の毛が不安定な状態になり、石鹸シャンプーを使うと髪がきしんだ感覚になるのは、このためです。

(キューティクルなど、髪の毛の仕組みについては、髪の毛の構造で詳しく説明しています)

また、石鹸シャンプーを水道水で洗い流すと、水道水に含まれるカルシウムイオンと結合して石鹸カスが出来ることもデメリットです。石鹸カスは水に溶けにくく、髪の毛に残留して吸着することが多い物質です。

石鹸カスは水で洗い落とすことが難しく、これが吸着するため、石鹸シャンプーの使用後は、髪の毛にゴワゴワした感じが残ります。髪が洗浄された状態ではあるのですが、石鹸カスが残ることで、毛髪の触感だけでなく、髪をアルカリ性の状態にしてしまうことが最大のデメリットといえます。

このため、石鹸シャンプーを使う場合は、弱酸性のリンスを併用することで、こうした状態を回避し、石鹸シャンプーのデメリットを解決することができます。つまり、石鹸シャンプーでアルカリ性になった髪の毛を、弱酸性のリンスで中和することができます。

弱酸性のリンスといえば、クエン酸系のリンスなどが代表的です。このリンスを使うことで、アルカリで開けられたキューティクルも閉じることができますし、石鹸カスも脂肪酸に変えられ、キシキシ・ゴワゴワといった感触も取り除くことができます。

なお、過剰な皮脂分泌が原因で脂漏性皮膚炎などの疾患が生じている方は、市販のシャンプーなどでは対応できないケースがあります。こうした方は、医療機関(クリニック)の診察を受けると、抗真菌剤入りシャンプーの提供などの対応が受けられます。