育毛シャンプーは効果があるのか?

育毛シャンプーには効果があるのか?という点について、結論を先に言うと、「育毛シャンプーだけで薄毛・脱毛症を完治させることは無理だが、頭皮環境の改善や薄毛治療の補助的な役割は果たしてくれる」ということは言えると思います。

育毛シャンプーは、「薬機法」(かつての旧・薬事法)という法律に基づき、医薬品に指定されたものもありますし、医薬部外品や化粧品に分類されるものがあります。

また、「薬用シャンプー」は、医薬品ではなく医薬部外品であることが一般的です。分類上、単なる化粧品ではなく、医薬部外品であることを強調するため、「薬用シャンプー」という名称を使う場合が多く見られます。

医薬品・医薬部外品・化粧品という法律上の分類は、育毛剤に関する育毛剤の種類と使い方で詳しく説明しています。この分類は、シャンプーや育毛剤に限らず、医療に関わるあらゆる製品を対象にしています。

ここでは、育毛シャンプー(薬用シャンプー)の種類や主な成分を取り上げ、育毛ケアに効果があるのかどうかについて詳しく見ていきます。

医薬品の育毛シャンプーの効果

医薬品として育毛シャンプーに使われる成分には、ケトコナゾールが挙げられます。医薬品には医師の処方が必要な医療用医薬品と、一般に市販される一般用医薬品がありますが、ケトコナゾールは医師の処方が必要な医療用医薬品です。

ケトコナゾールはもともと、白癬(はくせん)、カンジダ症、癜風(でんぷう)、脂漏性皮膚炎など、クリームやローションとして使われる抗真菌薬でもあります。殺菌作用を持っており、外用薬(塗り薬)として知られる薬です。

ちなみに、ケトコナゾールの経口投与は日本では承認されておらず、欧州・オーストラリア・中国などでも全身投与(経口投与)の薬としては販売が中止されています。肝障害などが問題視されたのですが、局所投与(塗り薬)の場合はこうした問題はありません。

ケトコナゾール配合の育毛シャンプーは、ケトコナゾールが持っている抗菌作用によって頭皮の微生物が減少し、それによって脱毛症を引き起こす毛包炎を減少させることができる効果があります。

つまり、細菌由来のフケや痒みを抑制し、荒れた頭皮環境をもとに戻すことで、脱毛を阻止する効果があるとされています。なお、育毛シャンプーとしてのケトコナゾールは公的健康保険の適用外(自由診療)であり、全額自己負担が原則で、医薬品副作用被害救済制度も適用されません。

ケトコナゾールシャンプーの育毛効果について、この治療法だけを行った場合に有用であるとする臨床試験は決して多くはないのですが、これから将来に渡ってさらなる研究の成果が期待されています。

薬用シャンプーの効果(医薬部外品)

育毛シャンプーのうち、医薬部外品に指定されたものは、医薬品よりは効果が穏やかで緩いものの、ある程度の薬用効果(症状の予防や改善)が見込まれるもののことです。

育毛シャンプーのうち、医薬部外品に指定されたシャンプーは、単なる化粧品に分類されたものと区別するため、「薬用シャンプー」という名称を使うことが多く見られます。

こうした薬用シャンプーは、医薬品と違ってスーパーやコンビニなどでも手軽に購入することができます。また、医薬品ほどでは無いものの、清潔な頭髪環境を整えたり、毛髪の成長因子に働きかけることを通じて、健全な育毛を促すサポート機能を期待することができます。

例えば、ライオンのサクセスは、有効成分としてピロクトンオラミンを配合しています。これは真菌症の外用薬としても知られている成分です。フケやかゆみを防ぐことで、脱毛を抑え、毛髪が生育しやすい頭皮環境を整える効果が期待できます。

資生堂のアデノゲンスカルプケアシャンプーは、アデノシンMP(アデノシン・ミネラル・ポリクオタニウム‐11)を配合しています。これは頭皮をしっとりと洗い上げ、ハリ・コシを与え、健やかでボリュームのある髪に仕上げる有効成分です。

アデランスのヘアリプロ・薬用スカルプシャンプーでは、消臭効果が認められているシャクヤクエキスや、育毛剤に配合されることが多く、毛乳頭細胞の活性化を促すことが期待されるハス種子乳酸菌発酵液も配合して、単なる毛髪の洗浄にとどまらない頭皮全体のケアを目指しています。

このように、薬用シャンプーは、頭皮全体のケアに関する効果が期待されています。頭皮環境を清潔で潤いのある状態に維持することで、脱毛を抑え、健全な毛髪の生育をサポートする効果が期待できます。

化粧品に分類される育毛シャンプー

医薬品でも薬用シャンプー(医薬部外品)にも指定されていない育毛シャンプーというと、法律上は化粧品ということになります。これは、清潔にする、美しさを保つ、外的な魅力を維持するといった目的が主なもので、薬効があるとは限らないものです。

化粧品に該当するシャンプーでも、髪の毛にツヤを与えるとか、フケやかゆみを抑えるといった表記は可能ですが、それが脱毛の抑制や発毛の促進につながるものでは無い点に注意が必要です。

育毛シャンプーは、それ自体だけを使えばグングン毛が生えてくるという効果は無理があると思います。その一方、フケやかゆみを抑えたり、毛髪の成長因子に働きかけることを通じて、脱毛の抑制や発毛の促進に必要な頭皮環境の整備を期待することができます。

こうした効果を期待する場合、やはり育毛シャンプーの種類や有効成分を確認する必要があるといえます。薬効を期待するなら、単なる化粧品よりも医薬部外品に指定された薬用シャンプーを選ぶべきでしょう。

特に薬用シャンプーの場合は、有効成分がどのような効果を持つかを表記している場合が一般的です。洗浄効果、保湿効果、毛髪の補修効果があるのか、しっかり確認して自分に合ったものを選ぶようにしましょう。