頭皮にオイルケア(オイルクレンジング)はどうなのか?

頭皮へのオイルケア(オイルクレンジング)が、頭皮にたまった汚れ(主に皮脂)をしっかり落とす効果があり、薄毛予防に役立つとも言われることがあります(頭皮マッサージは育毛効果があるのか?)。

オイルケアまたはオイルクレンジングとは、文字通り「油で皮脂を落とす」ということです。理屈としては、メイク落としでよく使われるオイルクレンジングと同じですが、頭皮のオイルケア用品も非常にたくさんの種類が流通しています。

もっと簡単に言えば、頭皮のオイルケアは「油で油を落とす」ということです。同じ油分同士による洗浄は高い効果を発揮することもありますが、シャンプーの前またはシャンプー後に行う製品があったり、実際の成分や方法もさまざまなものがあります。

さらに、油分を頭皮に用いるという方法であることから、強い効果を感じる方が多い反面、逆に頭皮に合わなかったり、頭皮トラブルを招く方も少なくありません。また、薄毛対策になるかという点については、シャンプーやトリートメント・リンスだけでも十分かもしれません(育毛シャンプーは効果があるのか?)。

ここでは、頭皮のオイルケア(オイルクレンジング)で使われるさまざまな成分や方法を説明したうえで、望ましい使用頻度や薄毛対策に役立つのかどうかについて取り上げていきます。

頭皮オイルケアの種類(成分と方法)

ホホバ油は、頭皮のオイルケアのなかでも最もよく知られた成分の1つです。ホホバオイルシャンプー前のトリートメントとして使ったり、風呂上がりのトリートメント(アウトバストリートメント)として使われる製品があります。

ホホバ油は、アメリカ南西部やメキシコ北部に見られるホホバという植物から取られたオイル成分です。髪の毛や皮膚の乾燥を防ぎ、保湿作用や髪に潤いを与える作用があると考えられています。

椿油も、古来から髪油(整髪料)として使われたり、スキンケアや保湿に使われてきた植物由来のオイル成分です。酸化しにくいオレイン酸を比較的多く含むことで知られており、これをシャンプー前の乾いた頭皮になじませたあと、シャンプーでしっかり洗い流すといった使い方が挙げられます。

アルガンオイル(アルガン油)は、近年急速に広まって定着したオイル成分です。モロッコで昔から使われてきた美容成分であり、頭皮ケアとしてはシャンプー前に本剤を使って頭皮マッサージを行う製品が幅広く用いられています。強い抗酸化作用があると言われます。

オリーブオイルも、地中海沿岸地域では一般的な美容成分です。頭皮全体にオリーブオイルをつけてよく揉み込みながらマッサージを行い、蒸しタオルを頭に巻いて毛穴を開いたあと、シャンプーでオイルごと洗浄するといった製品が出ています。

シアバターは、アフリカ大陸のサヘル帯などに天然分布するシアーバターノキの種子から作られます。植物性油脂ですが、常温では固形で肌に塗ると体温で溶けて浸透するため、「オイル」ではなく「バター」と呼ばれるオイル成分です。

シアバターは食品、薬品などのほか、脱毛予防にも効果があると言われ、ボディローション、石鹸、シャンプーに配合される場合があります。頭皮ケア製品としては、シャンプーの前でも後でも使える製品があり、手の平全体にのばし、髪よりも頭皮を意識して塗る使い方が一般的です。

このように、頭皮のオイルケア(オイルクレンジング)成分といっても、非常にさまざまな成分が出ており、多くの場合、保湿効果が高く、髪に潤いを与えるとされています。

また、シャンプー前に頭皮をマッサージする感覚でなじませる、ホットタオルで頭を巻いて蒸らすように保湿する、シャンプー後にオイルを垂らして馴染ませるなど、頭皮のオイルケアのやり方はさまざまな方法が考えられています。

頭皮オイルケアに薄毛予防の効果はあるのか

頭皮のオイルケア(オイルクレンジング)に薄毛の予防効果があるのか?と言われると、確固たる医学的な根拠に基づく、直接的な効果があるわけではありません。ただし、頭皮ケア自体は、頭髪環境の改善を通じて、薄毛の予防や健全な毛髪サイクルに役立つ可能性があります(→頭皮環境や髪質の低下を見逃さない)。

とはいえ、日常的に頭皮環境や毛髪に気を配る生活のなかで、あえてオイルケアをこまめに行うことも、かえって頭皮環境を悪化させてダメージを及ぼす可能性もあります。

この記事の冒頭でも説明した通り、オイルケアは「油で油を落とす」ため、とても強い油脂の洗浄効果が期待できます。その一方、そもそも毛穴にたまった油脂は、頭皮が自ら生み出した老廃物であり、病原菌による炎症や感染症から頭皮を守るバリア機能を有しています。

頭皮の油脂は、多すぎても嫌な臭いという衛生上の問題がありますし、少なすぎても頭皮の保湿・保護や病原菌からの防護という点で好ましくありません。これについては、皮脂は取りすぎても溜まりすぎても良くない。で詳しく説明しています。

適度な油脂の洗い落としということであれば、シャンプーやトリートメント・リンスを使うだけでも十分に効果があります。むしろ、オイルケアの成分にはさまざまなものがあるため、相性という面で頭皮トラブルを引き起こす可能性もあります。

皮脂の洗浄は清潔な頭皮環境をもたらし、健全な毛髪サイクルを取り戻すことで薄毛予防や発毛・育毛の促進につながる効果が期待できます。ただ、その効果は直接毛髪を作る細胞に働きかけるものではなく、直接的な作用を望むなら、やはりクリニックで医療行為としての薄毛治療をおすすめします。

また、頭皮環境の洗浄ということであれば、シャンプーやトリートメントだけでも十分です。頭皮オイルケアはとても強い洗浄効果があるのですが、その半面、やり過ぎによる頭皮ケアのリスクも高いといえます。

どうしても頭皮オイルケアをするのなら、頭皮につけたものはしっかり洗い落としましょう。中途半端に残ったら、頭皮のベタつき、臭い、フケや湿疹のもとになります。もしもこうした症状が続くようであれば、オイルケアは中止し、専門医に相談しましょう。