情報を賢く利用して、常識的な判断を大切にする

今回は、髪の毛の改善にあたって、誰にでも絶対的に通用する方法が確立されているわけではないことや、効果が高いものはそれだけ身体への負担や副作用の可能性も高まる点を取り上げ、情報を賢く利用して、常識に基づいた判断を行う必要性を説明します。

情報を見極めよう

頭皮環境や髪の毛に限ったことではありませんが、現在ではさまざまな健康情報が流れている時代です。新聞やテレビと言ったマスメディアはもちろん、パソコンやスマホでインターネットに接する機会が当たり前になっていることも影響しています。

薄毛治療や発毛・育毛に関しても、医師が行うべき医療行為としての情報をはじめ、一般的な育毛サロン・育毛サービスにとどまらず、育毛剤、育毛シャンプー、マッサージ、漢方、サプリメント・健康食品など、非常に多くの情報が出回っています。

髪の毛に悩んでいる方の多くが、新しい情報が発信されるたびに飛びつきたく気持ちもわかります。なんとかしたい、どうにかできる、こういったものを早く得たいと思うことは自然な感情です。

しかし、毛髪への客観的な効果を証明できないものを追っかけることは、何も得ることができず、時間と出費の無駄に終わることばかりを繰り返す可能性があります。

こうした情報に一喜一憂するのではなく、まずはそれが科学的な根拠に基づくものであるか、論理的に整合性のとれた情報であるか、しっかりと見極めることが重要です。

医療機関の薄毛治療を受ける場合でも、育毛サロンなどのサービスを受ける場合でも、その考え方について主観ではなく、きちんと順序立てて自分が納得いく説明を受けられるかどうかが大きなポイントだといえます。

毛髪のケアについて、じぶんひとりで悩みを抱え込まず、専門家に相談したり、深い知識を得ることも重要なことです。客観的な観察を受け、適切なアドバイスを受けることができます。

絶対的な治療法は無い

薄毛・抜け毛の改善や発毛・育毛の促進に関して、どんなひとにでも効果がある絶対的な治療法というものはありません。あるひとにとっては効果があるものでも、それが自分にとって効果があるとは限りません。

例えば、男性型脱毛症(AGA)を引き起こす原因は何か?で説明した通り、男性型脱毛症(AGA)は男女とも起こりうる脱毛症であり、原因は酵素の働きによってホルモンが変化することだと分かっています。

さらに、AGAの治療薬も研究が進んでいます。AGA(男性型脱毛症)の診療ガイドラインで取り上げた通り、フィナステリドは女性には使うべきでは無いものの、ミノキシジルは女性用も開発されています。

現在では男性型脱毛症のように、薄毛や脱毛症の原因や治療法に関して、非常にさまざまな研究が進んでいます。ただし、どんなに強力な治療法であっても、すべてのひとに同じ効果をもたらすとは限りません。

その一方、円形脱毛症に関しても、原因は自己免疫反応であることが明らかになっています。円形脱毛症とはで説明した通り、決定的な治療法は確立されていないものの、自然治癒する方が少なくありませんし、ステロイドの使用が幅広く用いられています。

薄毛や抜け毛の原因はひとさまざまです。専門家の適切な観察によって、自分がどんな症状に該当するのかを見極め、それに見合った治療を受けることが可能となります。

ただしこれは、ひとくちに薄毛・脱毛症といっても、薄毛・脱毛症のさまざまな種類で取り上げた通り、いくつかのタイプに分けることができますし、その原因も単純に特定することが難しいといえます。

薄毛や脱毛をもたらす原因が1つとは限らず、複数の要因が重なっていれば、それを改善させるための対処方法も、それだけ単純に上手くいくとは限らないことを意味します。

しかしこれは逆にいえば、発毛・育毛を取り戻す活路もまた、1つとは限らないことを意味します。誰かにとって有効な方法が自分にはダメだということは、誰かにとってダメだった方法でも自分には有効かもしれない可能性を示しています。

もちろんここで言っているのは、あれこれと短絡的に、取っ替え引っ替え薄毛治療を替えることではありません。これでは、その効果を見極める前に次の方法に手を出すことになり、結局何が良いのかさっぱりわからず、時間と労力の無駄になってしまいます。

そうではなく、半年なり1年なり自分で見極める期間を定めてみて、それがダメだったときは他の方法を検討する、というスタンスで良いと思います。とにかく1つの方法が駄目だったからと言って安易に諦めず、気持ちの余力を維持しつつ他の方法を試してみる姿勢が重要だといえます。

常識的に判断しよう

ここまで、薄毛や脱毛症に関してはさまざまな情報が出回る一方、そのすべてが自分にとって有効な方法とは限らないという点を取り上げてきました。

発毛や育毛のために、さまざまな情報を精査することが重要であり、その上で、自分が良い情報だと思ったことをどんどん吸収していきましょう。また、客観的で第三者的な立場から助言が受けられる専門家の意見を取り入れることも重要です。

こうした情報をそのまま丸のみせず、自分にとって何が重要なのかを見極めることも非常に大切なことです。さまざまな情報やアドバイスについて、常識的な判断で適切に向き合うことがポイントだといえます。

頭皮が硬くなってきた、髪の毛がいつも以上に抜け落ちるようになってきた、毛髪にハリやコシが無くなってきたなど、いつもとは違う感覚を得るのは、最終的には自分です。常識的な判断で考える・感じるということが異変を見逃さないポイントとなります。

ひとりよがりな判断や、悩み・不安を抱え込んだままでは、適切な対応が遅れてしまいます。主観的な決めつけは避けるべきですし、ここで言っているのはそういうことではありません。

髪の毛の改善に関わるさまざまな情報を精査し、専門家の相談を受ける一方、常識的な範囲で自分が感じたことにもとづいて判断するということは、どちらも大切な心構えといえます。

周囲の情報や専門家を含む周囲のひとの意見を適切に取り入れることも、自分が感じたり社会通念上許される範囲で常識的な判断を下すことも、どちらもそのひとが持っている技量といえます。髪の毛の改善に向かって、自分自身の人間力を駆使していきましょう。